エルダーホームの2016年10月の日誌

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介護トピックス

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エルダーホームからこんにちは(平成28年10月号)

 先日、ご入居のW様は、認知症が進み

おひとりのお暮しが難しくなりホームに

いらっしゃいました。


初日より

『家に帰ります。』

『病院に行かなければならないので家に帰ります。』

と訴えていらっしゃいます。


「駅から遠いですよ。」

「タクシーはすぐに来ない住宅地です。」等々、

落ち着いて頂こうとヘルパーさんがお話をしています。



 そんなある日、とうとうWさんが荷物をバッグに詰めて、


『帰ります。出口はどこですか?』


とヘルパー室に来られました。


ヘルパーはしばらくお話を伺ってみましょうと

思っていました。すると、さっと通りかかった

入居者様が、


『Wさんこちらですよ。一緒に行こう。』


と、ホールの方へ手を繋ぎご一緒に行かれました。

他の入居者様が気付いて、


『座ってよ。ここ、ここよ。』


と椅子を用意しています。

手を繋いで歩かれる姿にヘルパー全員微笑んでしまいました。

ホールでは、入居者様とヘルパーが折り紙で箱を

作っていました。

いつの間にか荷物のバッグは横に置かれ


『これでいいの?』


と隣の方に折り方を聞いていらっしゃいます。

そんなこんなで、帰りたい気持ちはどこかへ

行ってしまいます。

ヘルパーが馴染んで頂こうと気を揉まなくても、

同じ時を経て暮らして行く毎日が、仲間になられる

近道のようです。


W様は、数日が過ぎ皆様に名前を覚えて頂き、

落ち着いて生活されていらっしゃいます。


2016年10月20日