「パ!タ!カ!ラ!・パ!タ!カ!ラ!」
食堂から元気な声が響いてきます。
お食事前、嚥下機能のために行っている『健口体操』です。
音頭を取っているのは背のスラッとしたヘルパーのSさんです。
「はい、お疲れ様でした!お食事までもう少しお待ちください」
と締めくくると
「いいわねぇ...」
と声が...。91歳のⅠ様です。
何が『いい』の?」
近くにいた小柄なヘルパーのTさんがお聞きします。
「背が高い人って羨ましいわ。私150㎝しかなかったから...
今はもっと縮まってるはずだけど...
子供のころから毎日牛乳飲んでいたけど
途中で止まっちゃったのよ」
「高くなりたかったの?」
「もっと大きくなりたかった!せめて160㎝位は欲しかったわ」
「私も同じよ!」
「子供のころ運動はしたの?」
「しなかったのよ」
「勉強ばかりしてたの?」
「それもしなかったのよ」
「じゃあ何してたのよ?」
「あら...寝てたのかしら...変ね、『寝る子は育つ』っていうのに
何で大きくならなかったのかしら⁉」
大きな声の二人の会話に周りの方も思わず爆笑です。
和やかな雰囲気の中、今日もお食事が始まるのでした。