入居者様の会話は元気だった昔の話になります。
A様とB様のやり取りです。
「Tさんの頭、勘三郎さんにそっくりね」
「勘三郎さんて何と言いましたか」
「忘れました。・・・思い出せません」
「歌舞伎は昔行きましたよ。空襲警報が鳴ると緞帳が下りるのよ」
「そんな昔歌舞伎をご覧になっていたの?」
「はい」
「危ないですね。早く逃げないと・・穴は有ったのですか?」
「穴はあったわよ。そこに逃げたのよ皆で・・!」
ヘルパーも
「それは大変!早く逃げないと!」
と思わず戦時中モードになってしまいます。
こんどはC様
「昔ね、主人の転勤で福岡に行っていたとき
島津邸に行ったの。
海の近くでひまわりがそれはそれはきれいに咲いていたわ。
あなたも一度行ってごらんなさい。」
「そんなに素敵なところですか?」
「はい。ひまわりの花が咲いている時に行かないと駄目ですよ。」
ヘルパー「私も行ってみたいですねぇ」
そこへ突然D様
「今日は帰らせてください.
お父さんが心配しているから『なんで帰って来ないの!って
心配していますから」
(ご主人様は疾うに冥界へ)
「明日息子さんと帰ったらいかが?ところで
今おいくつになられたのですか?」
「82歳!(実は92歳です)」
「やっぱり、息子さんと帰るのがいいですよ」
「もう諦めました。帰ったらお父さんが怒っているよ。
もう明日からここに来ないからね」
皆さま笑ったり泣いたり、嚙み合わない会話(^。^)
でもお話ができる環境は、気持ちが晴れ晴れしますよね。
一緒に笑ったり、感心したり、怒ったりヘルパーさんも共に暮らしています。