ご自宅で仲睦まじく暮らしていたのに、
ある日、どちらかが病院に入院することに
なった場合、どなたも退院後の生活が不安に
なられると思います。
F様ご夫妻は、初秋に奥様が急なご入院の為、
1人になられたご主人がホームに入居されました。
毎日奥様の病院に行くと言って、バックを持ち、
出掛けようとなさいます。
ヘルパーが、
「どちらの病院ですか?」
と伺いますと
『名前はわからんが、近くまで行けばわかる』
と言われます。
毎日、声掛け見守りしていました。
初冬になり、奥様が退院され、奥様も
エルダーホームに入居されました。
毎日食堂で隣の席に座り、食事のたび
かいがいしくお世話して下さいます。
食事の前にお茶をお出ししますと、
「お父さん、美味しいね」
『うん、美味しい』
そんな会話が聞こえて来ました。
やっと以前のように落ちついた生活に戻られたようです。
ご主人が、手編みのセーターを着ていると、
『この人が全部編んでくれたんだよ』
とうれしそうに話して下さいます。
奥様の入居後、
"外に出かけてくるからね。"
との言動はなくなりました。