エルダーホームの2018年6月の日誌

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エルダーホームからこんにちは(2018年6月号)

大雨が降った日、居室で転倒し手首を骨折したK様。

やっと治療が終わりエルダーホームに戻られました。

入院中に足の動きも悪くなり歩けなくなりました。

入院前はシルバーカーを押しておられましたが、

車椅子に乗らなければならなくなりました。

日中も寝たきり状態です。

そして昼夜に関係なく頻繁にコールが鳴ります。

「冷蔵庫のジュースを飲ませて下さい。」

「テレビのリモコンがベッドから落ちました。取ってください」

「窓のカーテンを少し閉めて下さい。気になります」

「掛布団が少し変なので直してください」

コールに急いで伺ってみると

「私コールで呼んでいません」

との事・・・

押したこともお忘れのようで、とほほほ・・

職員も最初は病気で思うように身体が動かないから

仕方ないと観念しましたが、これがずっと続くと困ります。

何とか自立して頂かないと・・。

職員の中に以前K様と同じように以前手首を骨折した方が

いました。

「リハビリ用のボールを持参しました。

これを毎日動かして指の動きを柔らかくして行きましょう。

私もこれで動くようになりました。

Drからも安静にせず手を動かして下さいと

指導されています。」


ある日、K様は誕生会で花束を受け取ることになりました。

「お誕生日おめでとう」

満面の笑みを浮かべ骨折した手を添え花束を

両手で受け取りました。

あれほど「痛いから」と言って骨折した手を動かそうと

しなかったのに、自然に花束に手を添えられていたのです。

職員皆感動しました。

入院中は安静状態となり自分から動かす気力を

失っていたのでしょう。

元々何事にも意欲的に取り組んで来られた方なのです。

それからは表情が変わってきました。

そしてコール回数も減ってきました。

数カ月が経ち、木々の緑がひときわ色濃くなり

爽やかな季節となりました。

K様は今日も食堂の椅子まで自走式の車椅子を

動かし移動しています。94歳です。

職員「私触っていませんよ。K様一人で動かしていますよ。

上手ですね」

K様「あらそう?自分で動かしているの?嬉しい」

日々の生活の中で根気強くリハビリし身体を動かすと、

ここまで出来るようになると実感しました。

これからも職員の声掛け気づきを大切にし、

入居者様がいきいきと生活できるようにお手伝いして

参りたいと思います。

 

2018年6月21日